繰り返しの負担が引き起こす「見えない怪我」 〜筋肉・関節への影響とは〜
「怪我」というと、転倒や強い衝撃による骨折や捻挫を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実は小さな負担の積み重ねでも怪我は起こります。例えば、「疲労骨折」は、一度の衝撃では骨折しないような小さな負担が繰り返されることで、最終的に骨が耐えきれなくなり、折れてしまうものです。
この「繰り返しの負担による怪我」は、骨だけでなく筋肉や靭帯、関節にも起こります。日常生活や仕事、スポーツの中で、特定の部位に負担をかけ続けていませんか? その小さな負担が積み重なり、やがて痛みや違和感として現れることがあります。
筋肉・関節に起こる「見えない怪我」
1. 筋肉の疲労と微細損傷
長時間のデスクワークや立ち仕事、同じ動作を繰り返す作業では、特定の筋肉が酷使されます。すると、筋肉の繊維が細かく損傷し、疲労が蓄積していきます。本来、休息をとることで筋肉は回復しますが、回復が追いつかないと「筋膜炎」や「筋疲労症候群」といった症状を引き起こします。これらは「目に見えない怪我」ともいえる状態で、放置すると慢性的な痛みへとつながります。
2. 靭帯や腱の負担
靭帯や腱も、繰り返しの負担によってダメージを受けます。例えば、「腱鞘炎」は、手首や指の腱が過度に使われることで炎症を起こす疾患です。長時間のパソコン作業やスマホ操作、料理やスポーツなど、日常の何気ない動作の繰り返しが原因となることが多いです。
また、「足底腱膜炎」も同様に、足の裏にある腱膜が繰り返しの衝撃を受けることで炎症を起こし、歩行時の痛みを引き起こします。
3. 関節への影響
関節も繰り返しの負担によってダメージを受けます。特に注意したいのが「変形性関節症」です。膝や股関節、肩などに負担がかかり続けると、関節の軟骨がすり減り、炎症や変形が生じて痛みを引き起こします。最初は違和感や軽い痛みから始まるため、放置してしまう方が多いですが、症状が進行すると日常生活にも影響を及ぼすことになります。
予防と対策
これらの「見えない怪我」を防ぐためには、以下のポイントが重要です。
- 適度な休息とストレッチ
長時間同じ姿勢を続けるのではなく、こまめにストレッチを取り入れましょう。特にデスクワークの合間には、肩回しや軽い屈伸運動をするだけでも、関節や筋肉の負担を軽減できます。 - 適切な運動と筋力強化
関節を支える筋肉が弱いと、負担が直接関節にかかりやすくなります。適度な運動で筋力を維持し、体全体のバランスを整えることが大切です。 - 痛みや違和感を軽視しない
「少し痛いけど我慢できる」と放置すると、症状が悪化する可能性があります。早めに対処することで、回復もスムーズになります。
まとめ
強い衝撃がなくても、繰り返しの負担によって怪我は起こります。疲労骨折が骨に起こるように、筋肉や靭帯、関節も知らず知らずのうちにダメージを受けていることがあります。痛みや違和感がある場合は、放置せず早めにケアすることが大切です。違和感を感じたら、お気軽に当院へご相談ください。適切な施術とアドバイスで、あなたの体をしっかりサポートいたします。