腰の痛み~運動機能障害の観点から~

ぎっくり腰(急性腰痛)、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、・すべり症、腰部脊柱管狭窄症、坐骨神経痛など世の中には、様々な傷病名がついた腰の問題があります。

ですが、注目していただきたいのは、これらの傷病名は、状態を言い表しているだけというところです。

「腰が痛いです。」

に対して

「それは、ズバリ!腰痛です!」

と言っているような具合です。

診断のつく日常診療でよくある腰の症状

実際に日常診療でよくある腰の症状でいくつか見てみましょう。

ぎっくり腰(急性腰痛)

突然腰に痛みが発生した腰痛

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎の椎間板内にある髄核が飛び出ている(ヘルニア)

腰椎分離症・すべり症

腰椎のつなぎ目が分離している、分離したところがずれている(滑っている)

腰部脊柱管狭窄症

腰部の脊柱管が狭くなっている

などのように状態を表しているのです。

行なわれる治療・処置の一例

現在の医療は、この状態に対して処置、治療を行なっています。

急性腰痛

痛みが出ているので痛みを抑える(痛み止め、湿布など)

腰椎椎間板ヘルニア

髄核が飛び出しているので取り除く(除去手術)

腰椎分離症・すべり症

腰椎のつなぎ目が離れているのでくっつける(固定術)

腰部脊柱管狭窄症

脊柱管が狭くなっているので広げる(手術)

などのような具合です。

これは必要なことなので間違っていません。

「状態」は良くなったけど・・・

ここでは、もう一歩踏み込んだ考え方をお伝えできればと思います。

参考の一つになって改善、対策、予防のヒントになれば幸いです。

考えていただきたいことは「なぜ、そのような状態になったのか?」ということです。

そのような「状態」になるには「原因」があります。

先ほどの例で言えば、

「なぜ、『腰が痛い』状態になったのか?」
「なぜ、『椎間板から髄核が飛び出した』状態になったのか?」

ということです。

これがはっきりしないと、腰の痛みを和らげる処置をしたとしても、再発する可能性があります。

腰椎ヘルニアの手術を受けた人で、手術後当初は良かったけど、その後悪くなったという話は、よく聞く話ではないでしょうか。

ですから、「なぜ、そのような状態になったのか?」という原因を探し、その要因に対しても対策が必要と考えます。

悪い運動パターンが問題を引き起こす

結論から申し上げると「問題を引き起こす悪い運動パターン」が原因の一つになります。

人それぞれ生まれてから現在までの動作のクセ、仕事、生活習慣や環境などにより特定の運動パターンが発生しています。

この特定の運動パターンのうち、問題を引き起こす悪い運動パターンになっている状態を「運動機能障害」といいます。

この運動機能障害によって引き起こされる痛みやしびれなど様々な症状を「運動機能障害症候群」といいます。

今回は、腰の痛みに関わる「運動機能障害症候群」についてご紹介していきたいと思います。

腰の運動機能障害症候群

腰椎屈曲症候群

この症候群の主な機能異常は、腰椎屈曲の動きが股関節屈曲の動きよりも柔軟であるということです。典型的なケースでは座位での屈曲モーメントと圧迫が腰椎上の負荷をかけます。屈曲ストレスまたは腰椎屈曲運動は、腰部または臀部、下肢に症状を引き起こします。この症候群は18~45歳の若年者によく見られ、急性の痛みとして現れます。女性よりも男性に多く、特に日常生活活動のなかで前屈動作を繰り返す背の高い男性に多く発現します。股関節伸展筋群は短縮していて硬く、そのため背筋群が引き伸ばされ柔軟になっています。この症候群は椎間板ヘルニアの人に多く見られます。

腰椎伸展症候群

この症候群の主な機能異常は、腰椎伸展筋群が股関節伸筋群よりも速く収縮して腰椎伸展を起こすことです。そして、股関節屈筋群が脊柱に対して前方剪断力を及ぼしたり、骨盤前傾を生み出したりすることです。この症候群では慢性腰痛や腰痛を繰り返す方によく見られます。年齢は55歳以上に多く、背の高い人より背の低い人によく見られます。また、イスの端に座ることの多い人にも見られます。

腰椎回旋症候群

この症候群の主な機能異常は腰椎のある一分節が他の腰椎・胸椎・股関節よりも緩いために容易に回旋・側屈・並進運動をしてしまうことです。ここでいう回旋は広く解釈されて、屈曲や伸展以外の運動方向すべてのことを指しています。ですから、人によっては腰椎の回旋が明らかの人もいれば、そうじゃない人もいます。この症候群は症状の出ている側と回旋方向が必ずも一致しません。

腰椎回旋屈曲症候群

この症候群の主な機能異常は、腰椎の一分節が他の腰椎・胸椎・股関節よりも緩いために容易に回旋・屈曲方向に動いてしまうことです。腰椎屈曲症候群および回旋症候群でみられる多くの特徴がこの症候群にも当てはまります。純粋な屈曲あるいは回旋症候群よりも多い傾向です。

腰椎回旋伸展症候群

この症候群の主な機能異常は、腰椎の伸展肢位や伸展運動が腰椎、臀部、あるいは下肢に痛みを引き起こすことです。この症候群が最も一般的です。慢性腰痛や腰痛を繰り返す人、55歳以上、ゴルフやラケットを使った回旋運動を伴うスポーツをする人によく見られます。脊柱の退行性変化、腹筋群の制御能力障害、日常生活での回旋運動、そして、腰椎に回旋運動を引き起こす下肢運動などはすべてこの症候群の発症に関与します。

以上が、腰の運動機能障害症候群です。

腰の痛みが繰り返し頻繁に起こる、慢性的に腰痛があるなど、いろいろケアはしているけど、改善しないという方は、悪い運動パターンになっているのかもしれません。

自分がどの運動機能障害に該当するのか見てみると、改善、予防のヒントになるかと思います。

あおし整骨院について
-about us-

あおし整骨院は、2008年9月16日から新潟県長岡市で診療しています。筋肉や腱、靭帯、関節の異常が要因となる症状の改善を目指す整骨院です。腰の痛みでは、ぎっくり腰、首の痛みでは寝違え、交通事故のむちうち症、肩の痛みでは、四十肩、五十肩の方が長岡市内外問わず多くご来院されています。院長の山田光伸が一人ひとりの患者様に丁寧なカウンセリングを行い、オーダーメイドの施術を提供します。症状の解消だけでなく、症状が発生するに至った要因までの改善を目指しております。長岡市でぎっくり腰、寝違え、交通事故のむち打ち症などでお困りの方の治るお手伝いができれば幸いです。

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