痛み止め薬でケガは治せる?
「この前は、痛み止めで治ったのに
今回は全然治らない・・・。」
こんなことをおっしゃって
転院されてくる方がたまにいます。
痛み止めは、痛みを止めるため
ですが、治らないで当たり前なのです。
なぜなら、痛み止めは「痛みを紛わせる」薬だからです。
ケガを治すための薬ではないのです。
では、どうやって治っているのか?
治すのは、「自然治癒力」という身体に元々、備わっている
自然に治そうとする働きなのです。
なぜ、痛み止めで治ると思ってしまったのか?
なぜ「痛み止めで治る」と錯覚してしまったのでしょうか。
それは、ケガの状態よりも自然治癒力が勝っていたときに
痛み止めを使っていたからです。
そのため、痛み止めが効いている間に
ケガを治すことができたのです。
これが「痛み止めで治った」と
勘違いする原因になってしまったのです。
逆にケガの状態や環境の悪さなどの要因で
自然治癒力が下回ってしまっている場合は、
痛み止めが効いている間も治せていないので
薬が切れると痛みだすというわけです。
痛み止めは何のために使う?
では、どんなときに痛み止めを
服用した方がいいのかと言うと・・・
ケガをした時は、休養することが何よりの薬になります。
ですがケガが治る過程では
どうしても「痛み」は継続します。
その痛みで満足に休養できない・・・
こんなときの苦痛を和らげるために痛み止めはあるのです。
そうすれば、しっかりと休養することができ
自然治癒力も働きやすくなるのです。
つまり、痛み止めは「しっかりと休養するため」にあるのです。
だから、「ケガが治ること」を期待して
痛み止めを服用することは間違っているということが出来ます。
たまに「普段どおりに動くために痛み止めを飲む」
という方がいますがあまり、おススメできません。
なぜなら、痛み止めを服用することで
無理に動けるようになってケガが悪化したり
二次的被害が起こるからです。
元々、「痛み」は身体を様々な異常や危険を知らせて
身体を守るために備わっている警告信号です。
異常や危険から体を守るためのものなのに
その痛みを感じなければ大変なことになります。
「痛み」は大切な情報を教えてくれる重要な感覚なのです。
その他、身体に表れている症状も同様に
大なり小なり必ず何らかの意味を持っています。
そんなことを考えると「症状が表れたから」といって
安易にそれを抑える薬を服用することは良くないのかも知れません。
「なぜ、その警告(症状)を出さなければならなかったのか?」
ということに注目して、警告(症状)を出さなくてもよくなる
状態づくりが重要なのではないでしょうか?