頚椎症のような症例の施術
首、肩、背部の痛み、コリ感があります。上を見上げる動作がしにくい。その動作で痛みが強まります。
このような症状に悩む長岡市内在住の70歳代、無職の男性の症例です。
特に思い当たる原因もなく、1年ほど前より上記症状が始まる。
整形外科を受診し、頚椎症との診断を受ける。
1年ほど通院してみたが、変化がなかったのであおし整骨院へ来院。
頚椎症は、椎間板の退行変性(加齢変化)により、椎間板腔の狭小化、椎体辺縁の骨棘形成などの変化を生じる状態のことです。
このような状態になってしまっていては、治らないで当たり前になります。
膝で言えば、変形性膝関節症です。
変形をするまでに至ってしまうと基本的には治りません。
と結論づけると話は終わってしまいますので・・・
病院でもしっかり検査を受け、特に怖い病気が潜んでいるということがなく本人の希望がある場合は、当院でも施術を試みることにしています。
こういった場合、症状のある部分を施術しても変わることが少ないので関連のある場所を施術対象としていきます。
確認してみると背中が丸まっていて少し猫背になっています。
専門的に言うと前方頭位姿勢です。
この状態は胸の筋肉と肩の上の筋肉を「硬く」し、首の筋肉と肩甲骨の間の筋肉を「弱く」しやすい傾向です。
実際に確かめてみると胸部の筋肉や肩の筋肉が硬く緊張状態で押すと痛みがみられます。
この状態が正常な頚椎運動をしにくくしていることが問題になっている可能性があります。
このケースでは、硬くなっている胸部と肩の筋肉の緊張緩和を行なってみました。
施術後、頸部の動き改善と症状の緩和がみられたので、このまま通院しながら経過をみることにしました。
根本的には、猫背になってしまう姿勢がよくないので、自宅ケアとしてストレッチポールでのエクササイズも行ってもらうことに。
この方は、自宅ケアもしっかりされていたこともあり、このまま快方へと向かいました。
約3ヶ月間の通院で、卒業となりました。
以後は、自宅ケアだけでは、整いきれていない部分は定期メンテナンスで再発することなく過ごせています。
ですが、本人も病院で確認してもらっていないのではっきりは言えませんが、たぶん頚椎症は治っていないと思います。
前述したように、頚椎症は基本的には一度なってしまうと治らないので。
しかし、関連する部分が整うと自覚症状はなくなるというケースはあります。
問題が生じたときは、関連のある部分にも問題がないか確認してみるといいかもしれません。
自覚症状があるとことだけが、悪くなっているとは限らないからです。
問題が発生しているのであれば、その部分も改善につながるポイントかもしれません。